炭治郎と同じく最終選別を潜り抜けた不死川玄弥。
しかし玄弥は試験合格後の粗暴な振る舞いでインパクトを残したものの、その後は蝶屋敷で少しだけ再登場しただけでした。
ようやくスポットライトが当たったのは「刀鍛冶の里編」で、そこで玄弥が「鬼食い」という特殊能力者であることが判明します。
この鬼食いに関して「短時間とはいえ、なぜあっさりと鬼化できるのか?」といった疑問があがっているようですが、その答えはカンタンです。
「鬼食いは鬼の血肉を体内で薬物に変えている」と考えれば説明がつきます。
玄弥が簡単に鬼化できるのは優れた「味覚」のおかげ!
玄弥は五感に秀でた同期の剣士たちのなかで「味覚」に特化していますが、実はこの味覚というのは五感においてイレギュラーな感覚器だったりします。
というのも味覚はそのメカニズム上、直接感知する物質と接触しなくてはなりません。
これにより化学的な刺激・反応が起こるため、「化学感覚」とも呼ばれています。
この化学感覚に基づくと「玄弥の鬼食いは鬼の血肉を薬物化しているのではないか?」と考えられるのです。
炭治郎の同期たちの特徴
・炭治郎の同期たち=五感!
そもそも炭治郎の同期たち(善逸・伊之助・カナヲ・玄弥)は炭治郎を含め、それぞれ五感に特化しています。
五感とはヒトや動物にそなわっている感覚器で、すなわち嗅覚(鼻)・聴覚(耳)・触覚(皮膚)・視覚(目)・味覚(舌)です。
(人間の感覚をまとめて表現する時にも「五感」が用いられますが、これは今回カウントしません)
言うまでもなく炭治郎は嗅覚、善逸は聴覚、伊之助は触覚、カナヲは視覚が常人よりも秀でています。
カナヲの視覚については「蝶屋敷編」にて機能回復訓練に励む炭治郎がカナヲの目の良さに気づいたことで、そのことが示唆されていました。
元々善逸&伊之助が聴覚と触覚が鋭かったこと、また炭治郎が受けた最終選別の生き残りが5人だったことから
・炭治郎の同期の剣士たちは各々、鋭い五感を持っている
と伏線が張られていたように思えます。
そんなわけで玄弥が味覚、もとい特異な消化器官と異常に発達した顎の力を有しているのはおかしくありません。

問題は「なぜ簡単に鬼化できるか?」ですが、それは
・味覚は化学的な刺激で感知する「化学感覚」
だからでしょう。
「鬼食い」が成立する理由とは
・「化学感覚」とは?「味覚」特有の反応が「鬼食い」を成立させる!
ざっくり説明すると、化学感覚とは物質がもたらす刺激を感知する感覚です。五感ではこの化学感覚に当てはまるのが、味覚と嗅覚となっています。
しかし同じ化学感覚とはいえ、味覚は直接物質に触れる感覚器であるのに対し、嗅覚は匂いという間接的な接触で察知するのが大きな違いです。
(ネタバレになりますが、同じく化学感覚(嗅覚)に秀でた炭治郎が「鬼の王」になったことを思うと玄弥の鬼化はある意味伏線だったかもしれませんね)
「だから何?そんなの玄弥の鬼化のメカニズムの説明になってないよ」とツッコミが入ってきそうですが、こうは解釈できないでしょうか?
・優れた「味覚」を持っている玄弥にとって鬼の血肉は「薬物」に過ぎない
と。
鬼化は生理的および生物的な変化です。
薬物全般もまた注射や経口、吸入など様々な経路から投与することで臓器や神経にアプローチします。
通常、ずば抜けて発達した肉体である鬼の血肉を嚙み砕くことはできません。
けれども強靭な顎の力を持つ玄弥はそれを可能としており、また特異な消化器官によって短時間の鬼化ができているとのこと。
この特異な消化器官のおかげで玄弥が摂取した鬼の血肉は体内で薬物化し、短時間の効果を発動していると考えています。根拠は弱いものの、「鬼滅の刃」では「薬」が重要なキーワードになっているので「鬼食い=鬼の血肉を薬物化する」説はあり得ない話ではないでしょう。
なぜ玄弥は第六感ではなかったのか?
ところで五感以外の感知能力として「第六感」が挙げられますが、なぜ玄弥にはその第六感が与えられなかったのでしょうか?
炭治郎の同期たちがそれぞれ五感に秀でている設定を盛り込むのはいいとして、それなら一応ヒトや動物がそなえている感知・第六感を持ったキャラを同期にしても良かったはずです。
そうしなかった理由はなにか、それは2つの理由に絞られると思います。
その理由とは1つは第六感が精神面な作用が強いこと、もう1つは伊之助がロストする予定だったことです。
なぜ玄弥は第六感ではなかったのか?
・第六感は五感から外れた感知能力だから?
言うまでもなく、第六感は身体的な機能がもたらす感知ではありません。
「五感を超える能力」をとらえられており、どちらかと言えば勘や直感など精神的な作用が強いです。
精神的な作用といったら、鬼の血鬼術を思い浮かびます。
彼ら彼女らの異能は人間時代の執念や未練を反映したものばかりで、それらが物理法則を捻じ曲げていました。
よって精神的な一面が強い第六感は炭治郎の同期(五感)、もとい鬼殺隊の剣士にふさわしくないと吾峠呼世晴先生が判断したのかもしれません。
玄弥は伊之助の後任キャラだった?
・玄弥は伊之助の後任キャラだったから!?
その吾峠呼世晴先生ですが、先生と編集者さんとの間で行われた「あるやり取り」がファンの間で語り草になっています。
そのやり取りとは「遊郭編」のクライマックスを描いていた吾峠呼世晴先生に、編集者さんが
・「あの、伊之助は?」
と尋ねたところ、先生はハッとした顔になったそうです。
言葉にすれば短いやり取りですが、このやり取りから分かることがあります。それは
・吾峠呼世晴先生の予定では伊之助は「遊郭編」で退場するはずだった
ことです。
確かにあの苛烈な死闘は1人ロストしていても不思議ではありませんでした。
そうなると玄弥がしっかりと登場するタイミングが遅かったことにも納得です。
すなわち
・玄弥はロストした伊之助にかわる仲間だった
はずなら登場のタイミングにも、五感に「味覚」があてがわれたことも説明がつきます。後半で活躍させるつもりなら前半に登場させなくてもいいですし、味覚に特化しているのは炭治郎の仲間としてのメタ的なサインなら色んなことに辻褄が合います。
なぜ玄弥は第六感ではなかったのか まとめ
不死川玄弥の鬼食いが短時間で鬼化を成立させるのは味覚のメカニズムが関わっていると考えられます。
体内に取り込んだ鬼の血肉を薬物化しているかどうかは不透明ではあるものの、作中で描かれた即効性を思うとあり得ない話ではないでしょう。また玄弥が第六感ではなかったのは第六感が精神的な一面が強すぎること、そして伊之助にかわる炭治郎の仲間として登場する予定だったからだと思います。
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