「鬼滅の刃」考察では無惨が竈門家を襲った理由について「青い彼岸花」説と「日の呼吸の継承者」説が有力ですが、今回、筆者は新しい説を推させてもらいます。
その説とは「鬼の巡回ルート」説です。
それが一体どういうものなのか、その詳細を含めて「青い彼岸花」・「日の呼吸の継承者」説を否定する根拠を解説していきます。
無惨襲撃の理由「青い彼岸花」説は間違い!?
無惨が竈門家を襲った理由として最も定着している説は「青い彼岸花があったから」です。
「青い彼岸花」説とは・・・
「鬼滅の刃」本編では謎に包まれていたものの、最終回にてようやくその正体が、またその後発売した公式ファンブック第二弾で驚愕の事実が判明しました。
なんと青い彼岸花は竈門家のそば、縁壱の妻うたが埋葬された場所に咲いており、炭治郎の母・葵枝はその場所を知っていたのです。
しかも覚えていないぐらいの幼少期でしたが、炭治郎も葵枝に青い彼岸花を見せてもらったことがあるとか。
この事実から「鬼滅の刃」考察では「無惨が竈門家を襲ったのは青い彼岸花があったから」説が主流になっているのですが、ここで「否!」と唱えさせてもらいます。
「青い彼岸花」説の矛盾点
なぜなら
・禰豆子が太陽光を克服したと知ったとたん、即座に行動を移した無惨が竈門家に留まらなかったのはおかしい
からです。
もしも無惨が「竈門家周辺に青色の彼岸花が咲いている」という情報をゲットしていた場合、竈門家を襲撃した後、その場で上弦の鬼を呼んで周辺を探索させるなり竈門家を占拠するなりしていなくてはおかしいでしょう。
しかし無惨は襲うだけ襲ってそのまま立ち去りました。
この無頓着さが「無惨の襲撃=青い彼岸花」説を打ち消しています。
無惨襲撃の理由「日の呼吸の継承者」説も違う!?
「青い彼岸花」説以外にも挙がっているのは「日の呼吸の継承者」説です。
「日の呼吸の継承者」説とは・・・
竈門家で代々受け継がれていたヒノカミ神楽。
物語に初登場した時はなぜ竈門家の神楽が鬼に通用するのか分かりませんでしたが、徐々にその真相が明かされていきます。
ヒノカミ神楽は呼吸法を生み出した「始まりの呼吸」の剣士・継国縁壱が使っていた呼吸「日の呼吸」で、無惨はこの呼吸の使い手が再び現れることを恐れました。
どれだけ恐れていたかというと黒死牟と組み、日の呼吸の使い手や日の呼吸の適合者の証である黒刀の剣士を率先して襲ったほどです。
(この無惨の動きは「日の呼吸狩り」と言われています)
それだけ恐れ、徹底的に潰したはずの日の呼吸が「ヒノカミ神楽」として残っていることを無惨が知ったら……どんなアクションを起こすのか、想像に難くありません。
けれども、やはり「無惨の襲撃=日の呼吸の継承者」説は違っていると思えて仕方がないのです。
「日の呼吸の継承者」の矛盾点
それは
・「浅草編」での耳飾りを目にした時の無惨の反応があまりにも過剰
だからに尽きます。
無惨が初登場を飾った「浅草編」にて無惨は邂逅した炭治郎をどうでもよさげにあしらっていましたが、鬼化させた通りすがりの男性を取り押さえる炭治郎の耳飾りを目にしてその態度を一変させました。
炭治郎がつけている花札のような耳飾りは縁壱の遺品で、竈門家では代々神楽とともに縁壱の耳飾りを引き継いでいたのです。
この耳飾りにより、縁壱との関係を直感した無惨は以降、配下の鬼たちに炭治郎を狙うように命じました。
これだけならなにも違和感はありませんが、「無惨の襲撃=日の呼吸の継承者」説においては矛盾を招いています。
もし無惨が竈門家を襲撃した理由が「日の呼吸の継承者」を潰すために行ったとしたら、「浅草編」での無惨が示す反応は
・「生き残りがいたのか!?」
といった驚愕が正しいと思います。
また「日の呼吸の継承者」説だとしたら、その日の呼吸と深い因縁を持つ黒死牟が登場以来、特にリアクションがなかったことも「日の呼吸の継承者」説を否定する根拠です。
(黒死牟は縁壱に深い憎悪と嫉妬を抱いており、そのため「日の呼吸狩り」を行いました。百歩譲って、無惨から炭治郎の情報を共有されなかったとしてもやはり黒死牟を用いて伏線が張られていないのはおかしいと思います)
無惨が竈門家を襲った理由は……鬼の巡回ルートにあったから!?
無惨が竈門家を襲った理由に「偶然」説があるものの、筆者は新説・「鬼の巡回ルート」を提案します。
新説・「鬼の巡回ルート」説
というのも竈門家が鬼に襲撃される回数が多すぎるのです。
元々竈門家は縁壱とうたが暮らす家でしたが、うたの出産にそなえようと産婆を呼んでいる間に鬼に襲われます。
そして鬼殺隊から追放された縁壱が放浪の末に我が家に赴いたところ、そこで鬼に襲われていた竈門家の先祖・炭吉たちを救出しました。
(長い間家を空けていたため、縁壱の家はあばら家となっており、そこを炭吉たちが我が家にしました)
炭治郎の時代も含めれば合計3回も竈門家には鬼が襲撃しているのです。
おまけに炭治郎の帰宅を止めた三郎爺さんのことも考えると、炭治郎が住んでいた地域(奥多摩郡)は鬼の出没が多いところだったと考えられます。
さて。ここで竈門家の襲撃率は横に置かせてもらい、今度は禰豆子が人間に戻るさなかで思い出した回想シーンに注目です。
この時、禰豆子は家を襲ってきた無惨が
・「この程度の血の注入で死ぬとは 太陽を克服する鬼など そうそう作れたものではないな」
と言い放ったことを思い出しました。
この発言により
・無惨は新しい鬼をつくりに来ていた
ことが伺えます。
「鬼の巡回ルート」説を推す理由
しかしそうなると何故竈門家だったか?といったら、やはり色んな意味で安全だったからだと思えてなりません。
(山奥にあるため、人を手にかけてもバレにくい等)
ここからは完全な推測ですが、
・炭治郎がいた地域は鬼が定期的に訪れる巡回ルートだったのではないか?
と思えば、襲撃率の多さにも納得できるのです。
鬼はその性質上、日光を避けて行動しなくてはなりません。そうなればおのずと移動するルートは限られていると思います。
それが分かっていた無惨は新しい鬼を生み出すため、その安全なルートにあった竈門家に目をつけたと推察できるのです。もちろん他にも巡回ルートはあるでしょうから、そのなかから竈門家が襲撃されたのは運命としか言いようがありません。
竈門家が鬼の巡回ルートにあったから? まとめ
無惨が竈門家を襲った理由に挙げられている「青い彼岸花」説と「日の呼吸の継承者」説は本編における無惨の言動と一致しないため、否定させていただきました。
とはいえ筆者の主張、「鬼の巡回ルート」説も穴があるのは自覚しています。それでもこうして新しい仮説を立てるのは楽しいですね。
コメント