無限列車編で炭治郎や煉獄杏寿郎と激しい戦いを繰り広げた「魘夢」。
中世的な見た目と優しい話し方が、不思議と魅力的に見えてくる鬼です。
でも実際は計算高く、鬼殺隊はもちろん多くの人を一気に効率良く食べる方法を用意周到に計画して襲ってきました。
それまで炭治郎が戦って来た鬼はさまざまな個性がありながらも、そうした計画性があったとは言えず、突然出会って直接力の対決をするというタイプが多かったように思います。
今回はそんな下弦の壱:魘夢について解説していきたいと思います。
魘夢の特徴
魘夢は毛先を斬り揃えたボブのようなヘアスタイルと中世的な顔立ち、服装が特徴的な鬼です。
髪の毛の毛先の方はピンク色をしていて、ちょっとオシャレな感じもしますよね。
魘夢は下弦の壱として鬼舞辻無惨に仕えていました。
初登場はパワハラ会議
初登場は有名な、下弦の伍:累が炭治郎たちとの戦いで義勇さんに倒された後のパワハラ会議です。
下弦だけが集められて、女性に擬態した無惨に次から次へと虐殺されていった、あの回です。
魘夢の性別については作中では明らかにされていませんが、描写の中から一人称が「俺」であること、列車と一体かしている際に上半身が裸であることからも男性なのではないかなと想定できます。
パワハラ会議で下弦の鬼が解体された時、最後まで魘夢が残っていました。
下弦で唯一生き残る
無惨に「最期に言い残すことはあるか」と無惨に聞かれた際には「貴方様直々に手を下して戴けることが夢見心地でございます」「他の鬼たちの断末魔を聞けて幸せだった」「人の不幸や苦しみを見ることが大好き」「最期まで私を残して下さってありがとう」と返答しています。
この回答が無惨に気に入られて、下弦の鬼たちの中で唯一生き残ることが出来た上に新たに無惨の血を注入してもらい、能力を強化することが出来ました。
パワハラ会議でも下弦の弐:轆轤が「貴方様の血を分けていただければ必ず順応して見せます」と無惨の血を欲しがっても「なぜ私がお前の指図で血を与えなければならんのだ 甚だ図々しい、身の程を弁えろ」と逆に無惨の怒りを買って粛清されたということを考えても魘夢の回答が無惨に気に入られたと考えて間違いなさそうです。
サイコパス
無惨は全ての鬼の思考や居場所を把握することが出来ているので、嘘をついてもバレて他の鬼たちは無惨に殺されないように取り繕ったり、言い訳をしたりしてみても、そのたびに無惨に揚げ足を取られて殺されていました。
その際、下弦の鬼たちが慌てたり、泣いたり、逃げたりしていたということから、鬼でも恐怖や焦りを感じることが分かります。
にもかかわらず、魘夢は終始恍惚とした表情で成り行きを見守り、あの発言です。
魘夢の異常さ、サイコパスさを感じることができますよね。
無惨の血によって更にパワーアップした魘夢は、無限列車と一体化して、一度に200人の人を食おうとして無限列車に乗車した炭治郎や煉獄杏寿郎達と戦うことになりました。
魘夢にとって炭治郎や煉獄との戦いは想定していたのでしょうか?
結論としては、あのタイミングで柱が来ること、そして無惨から言われていた炭治郎が来ることは想定外だったのだと思います。
炭治郎の耳飾りをみて「運がいいなぁ」と言っていたことから、炭治郎や煉獄さんとの遭遇は偶然だったようです。
入念に用意された魘夢の計画通り、炭治郎や伊之助たちはもちろんのこと、煉獄さんまでも夢の世界に閉じ込めることに成功しました。
しかし、煉獄さんはもちろんのこと、炭治郎達も過去の他の鬼殺隊士とは異なり、最終的には誰一人喰うことができず、本来の力を発揮することもできずに倒されてしまいました。
魘夢の異常性
鬼全体的にクセのある性格の鬼が多い中でも魘夢は性格そのものの異常性という点では突出している鬼と言えます。
鬼としては珍しく、穏やかな口調でにこにこ穏やかな表情なので、優しそうな印象を受けるのですが実際は他人の不幸や苦しむ様子を見るのが夢に見るほど大好きと言っているので、サディストと言っていいでしょう。
無限列車でも乗客を眠らせて幸せな夢や都合の良い夢を見せていましたが、魘夢の本当の狙いは幸せな夢を見せた後で悪夢を見せて絶望させることだったようです。
冷酷な性格
また不幸に打ちひしがれて苦しんでいるのを眺めていると楽しいでしょう?とも言っていて、ドSな発言をしていました。
また、自分自身が手を下すよりも血鬼術と人間の心理を利用して、自分に危険が迫ることなく確実に命を奪えるように準備しています。
炭治郎たちが眠りに落ちた後も、それだけで安心することなく、良い夢を見たいという精神的に追い詰められた人間たちを利用して炭治郎たちの夢に侵入させて精神を崩壊させようとしていました。
いつ鬼殺隊が来てもいいように何人かそういう人間を常に無限列車に同乗させていたのかな、と思うと、その計画性は驚くばかりです。
作中では、他人の夢の中に入ること自体、とても危険だと解説されています。
夢を見ている人間の意識に影響を受けたり、日輪刀で繋いでいる縄を斬ったりしたら、永遠に夢の中に閉じ込められて意識が戻らなくなってしまうといったようなリスクがあるようです。
魘夢はそうした危険性もわかっているので、自分が夢に入ることはせず、また操られている人間たちも一切の説明がされていないようでした。
こうしたことからも、他人のことは利用するだけ利用する、自分のことしか考えていない、使い捨てとしか考えていない、という魘夢の冷酷な性格を垣間見ることができます。
次に、魘夢の人間時代について考察していきましょう。
魘夢の人間時代
劇場版無限列車編で配布された煉獄零巻に、魘夢の人間時代についてが記載されています。
人間時代から悪趣味な性格
魘夢は人間時代、しかも子供時代から現実と夢の区別がつかず周囲の人を困惑させていたようです。
それだけなら、まだ変わった子だな、で済むと思うのですが、大人になってからはその性格の異常性が鮮明になってきます。
病気で余命が少ない人に対して、催眠療法などを悪用し健康になったと希望を持たせておいて、実は嘘だったと絶望させる、というようなひどいことをしていました。
そうした性格は鬼になったからと言って変わっていないようで、人間時代と同じような感覚、そして悪趣味な性格のままで生きていると言えるでしょう。
トラウマや後悔が無い
なぜなら、他の鬼と比べて人間時代のトラウマや後悔していること等が無さそうな所です。
作中に登場する鬼は、人間の頃の記憶を失っていながらも、その姿に人間時代のトラウマや体験がその行動や姿に影響を及ぼしていることが多いのです。
他の鬼と比べてみても、人間時代の強いトラウマや経験を克服したいと行動する鬼が多いにもかかわらず、煉獄零巻で明かされた過去には、魘夢には一切そのような描写はありません。
結局人間時代も、鬼になってからもやっていることは変わっていないのです。
そう考えると魘夢は性格としては人間時代から鬼のようだったと言えるでしょう。
魘夢の死に際
また魘夢の死に際も他の鬼達とは異なります。
鬼たちは首を繰られて死ぬ間際に人間時代の記憶を取り戻して、鬼になった自分を後悔するような描写がされますが、魘夢は死ぬ間際までも、ひたすら負けたことを悔しがり炭治郎達、鬼殺隊への恨みつらみを述べていました。
きっと魘夢には人間時代にも思い出したいような大切な記憶はない、そして鬼になったことも特に後悔していない、ということが言えるのではないでしょうか。
いかがでしたでしょうか。
今回は下弦の壱:魘夢について考察してきました。
魘夢は上弦の鬼に勝てたと思いますか?この鬼になら勝てたのでは?魘夢って実は強かったんじゃない?等、ご意見があれば是非教えてくださいね!
コメント
初めまして、ランキングから来ました。
少し前に鬼滅の刃を好きになりました。鬼たちにもそれぞれ鬼になった理由がありそれを知ると感情移入して嫌いになれないキャラも多い中、魘夢に対しては少しも感情移入できませんでしたね^^;
鬼滅の刃はどのキャラクターにも良くも悪くも人間らしさがあり、それが垣間見えた時、一気にそのキャラクターが好きになってしまうのが魅力の一つですね^^