「那田蜘蛛山編」にてその存在が公となったヒノカミ神楽(日の呼吸)。
竈門家に伝わるこの神楽は最初こそ謎に包まれていたものの、物語が進むにつれて少しずつ詳細が開示されていきました。
そして「無限城編」で「始まりの呼吸」の剣士・継国縁壱の全てとともにヒノカミ神楽の真相が明らかになります。
このとき際立ったのがヒノカミ神楽・十三の型です。
この型は瀕死になった炭治郎が先祖の記憶を垣間見て悟ったものですが、炭治郎はすでにその真髄を身につけていたと思います。
それは「水の呼吸 拾ノ型 生生流転」があまりにもヒノカミ神楽・十三の型と似ているからです。
「水の呼吸」とは?「生生流転」とヒノカミ神楽・十三の型の類似点!
「水の呼吸」とは「鬼滅の刃」で初めて登場した呼吸法です。
水の呼吸の特徴
鬼殺隊に引き継がれている呼吸法、その基本中の基本である流派・五大流派の1つでもあります。
「水」と冠しているように変幻自在な技が多く、鬼の攻撃を受け流しつつ、頸を斬り落とす攻撃スタイルが特徴的です。
攻撃力が高い「雷の呼吸」や「炎の呼吸」と比べたらやや攻撃は不足しているものの、防御面では「水の呼吸」は勝っています。
物語序盤、炭治郎は冨岡義勇の導きによって育手・鱗滝左近次から「水の呼吸」を教わりました。
そんな「水の呼吸」の11番目の技、「拾ノ型 生生流転」は最も攻撃力が高い技です。
刀を振るえば振るうほど威力が増していく「生生流転」は累戦や魘夢戦の大一番で使用していたため、印象に残っている人は多いかと思います。
生生流転とヒノカミ神楽・十三の型の類似点
その「生生流転」とヒノカミ神楽・十三の型の類似点は
・連続攻撃(攻撃を繋げること)
に尽きます。
先述したように「生生流転」は刀を振るう、もとい回転をしていくと攻撃力が増幅される技です。
一方、ヒノカミ神楽・十三の型は「壱ノ型 円舞」~「壱弐ノ型 炎舞」を順番通り振るうことで成立します。
縁壱が生み出した対無惨用の型であるヒノカミ神楽・十三の型と「生生流転」。
前者は型を順番通り繰り出すことで休みなく技を放つことができ、後者は回転を重ねることを忘れなければ他の技に切り替えたとしても威力が持続する……そうした持続性も似ているとは思いませんか?
「偶然の一致」と言ってしまえばそれまでですが、もしも「偶然」でないとしたら考えられる可能性は1つだけ
・初代・水柱がヒノカミ神楽・十三の型を知っていた
という可能性です。
初代・水柱がヒノカミ神楽・十三の型を知っていた!その裏付けとは?
「初代・水柱がヒノカミ神楽・十三の型を知っていた」説はまず初代・水柱が縁壱、もしくは煉獄家の剣士(初代・炎柱)と親しかったという前提条件があることを断っておきます。
継国縁壱の生涯
「無限城編」無惨戦にて無惨の血を注入され、瀕死になった炭治郎が竈門家の先祖・炭吉の記憶を通して縁壱の生涯を知りました。

継国家の出奔、妻うたとの出会い、彼女とお腹の子供の死などいくつものターニングポイントがありましたが、ここで注目したいのは鬼殺隊からの追放です。
縁壱は無惨を取り逃がしたことやその傍らにいた鬼(珠世)を見逃したこと、そして彼の兄・巌勝が鬼化したうえに当時の産屋敷当主を惨殺したことを糾弾されます。
その責めは凄まじく、仲間内から自刃を求められたほどです。
(一説には双子の兄が鬼化したため、同じく双子の弟である縁壱も鬼化が適合することが証明されたので万が一の事態にそなえて自刃を求めたとも言われています)
結局、新たな産屋敷当主の計らいによって縁壱には鬼殺隊からの追放という処分が下されました。
その後縁壱は二度と鬼殺隊に戻ることはありませんでしたが、「追放後も数名の柱たちとは連絡していた」と判明しています。
縁壱の鬼殺隊からの追放 その後
仲違いな結末になってしまったものの、そうなる前の縁壱は鬼殺隊に新たな戦いの術を教えてくれた「中興の祖」ともいうべき人物でした。
身体能力や剣技だけでなく、人格面でも完璧であったため、慕う剣士がいてもおかしくありません。
少なくとも煉獄家の先祖であり、ヒノカミ神楽の手がかりとなった「炎柱の書」を残した初代・炎柱は縁壱が仲間から糾弾された時に庇おうとしたり等何かと良くしてくれました。
つけ加えるならヒノカミ神楽・十三の型について縁壱の口から直接、知った人物でもあります。
(もっともこれによって初代・炎柱は自身を喪失したとか)
もしも初代・水柱もまた縁壱、もしくは初代・炎柱など縁壱と親しい人物からヒノカミ神楽・十三の型を教えられていたら……そう思えば「生生流転」がヒノカミ神楽・十三の型に似ているのも説明がつきます。
「生生流転」はヒノカミ神楽・十三の型をモデルにした派生技だからです。
人知れずに継承されていたヒノカミ神楽の「極意」
先述したように「水の呼吸」はいささか攻撃力が劣っています。
どんなに多彩な斬撃を繰り出したとしても鬼の急所である頸を撥ねない限り、意味がありません。
しかも鬼殺隊の剣士である以上、その最終目標は無惨の打倒です。
稀有な強さを誇っていた縁壱ですら取り逃がした無惨に勝つために自分に一体何が出来るのか……
そう考えた初代・水柱が対無惨用の型、ヒノカミ神楽・十三の型を自分なり取り込もうと思っても不思議ではないでしょう。
実際に「炎の呼吸」の円を描くような動きはヒノカミ神楽とよく似ています。
あの動きは恐らく、初代・炎柱が彼なりにヒノカミ神楽を追いかけた結果ではないかと思っています。それなら他の初代たちだって同じことをしていてもおかしくはないはずです。
初代・水柱はヒノカミ神楽十三の型を知っていた? まとめ
「水の呼吸 拾ノ型 生生流転」とヒノカミ神楽・十三の型は連続攻撃であること、そしてその持続性が酷似しています。
よって「生生流転」はヒノカミ神楽・十三の型をアレンジした技だと主張させていただきました。
もちろんこの説にも主観が入り過ぎているのは承知していますが、そうだったらいいなと思います。それは竈門家の人間たちだけでなく、他にも縁壱の「日の呼吸」をなんとか遺そうとした人がいた証だからです。
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